就業規則は会社からのラブレター!読んだことのないあなたに捧ぐ“就業規則の読み方ガイド”

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本記事では、就業規則を読んだことがないあなたに、就業規則の読み方をお伝えします。

「就業規則って、何?」
「就業規則って、どこにあるの?」
「就業規則って、そもそもだれでも読めるの?」
「就業規則って、どんなことが書いてあるの?」

そう思っているのは、あなただけではありません。

就業規則は、会社がつくる職場のルールブックであるとともに、会社からのラブレターです。

会社からのラブレターは、2種類あります。

一つは雇用契約書、もう一つは就業規則です。

雇用契約書には、あなたの労働条件が書かれています。
・どこで
・何時から何時まで
・どのようなお仕事をするか など

就業規則には、職場全体にかかわるルール(労働条件も含む)が書かれています。

あなたが働くうえで気になることがたくさん書いてあるんです。

15年以上、従業員の労務管理をおこなってきた、現在、社労士のKOTOHOGIが、あなたの疑問にやさしくお答えします。

この記事を読めば

・就業規則とは何か
・就業規則はだれでも読めるのか
・就業規則の内容と読み方

がわかります。

この記事を読んで、就業規則の読み方をマスターしましょう!

会社からのラブレターの読み方ガイド① 就業規則って、何?

就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する会社(※)が、つくらなければならない職場の規則集です。つくらなければ、30万円以下の罰金(労基法120条)が科されます。

(※)ここでは、わかりやすいように、便宜上「会社」の文言を使っています。実際には、個人事業主の使用者も該当します。

労基法第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

引用元:e-Gov 法令検索

労働者が10人未満でも、会社のルールを明文化するために、就業規則をつくっている場合があります。助成金を申請している場合は、就業規則やそれに準ずるものが必要なため、作成しているはずです。

あなたの会社が、10人未満であっても、作成している場合がありますので、確認してみましょう。

ちなみに、自信満々で、「うちの会社は就業規則がないから、年次有給休暇や育児・介護の休業はないよ!」という使用者の方がいらっしゃいますが、これは大間違いです。

就業規則がなくても、法律で定められた要件を満たしていれば、休暇も休業も取得できます。

もし、このようなことを言われた場合は、まずは社内の相談できる方に相談したうえで、解決しない場合は、相談窓口に相談してみましょう。

相談窓口等一覧

また、就業規則は、正社員用とパート社員用にわかれていたり、就業規則とは別に、各種規程(賃金規則、育児介護休業規程、退職金規程など)がつくられていたりすることもあります。最近では、副業や兼業、テレワーク、SNS運用に関する規程なども作成されています。必要に応じて確認してみましょう。

会社からのラブレターの読み方ガイド② 就業規則って、どこにあるの?

もしも、あなたが就業規則のある場所を知らないとすれば、それは、会社のお知らせ不足かもしれません。

なぜなら、就業規則は、労働者に、下記のいずれかの方法で、お知らせしなければならないと法律で決まっているからです。

労基法第百六条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。

労基法施行規則第五十二条の二 法第百六条第一項の厚生労働省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。
一 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。
二 書面を労働者に交付すること。
三 使用者の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は第二十四条の二の四第三項第三号に規定する電磁的記録媒体をもつて調製するファイルに記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

引用元:e-Gov法令検索

また、周知(必要な時に労働者が就業規則を確認できる状態)は、効力発生の要件でもあります。つまり、労働者が常に内容を知れる状態にしてはじめて、就業規則の内容が、労働者の労働条件になるのです。

会社は、就業規則の内容をきちんと知らせておらず、労働問題に発展した場合、労基署からの指導や是正勧告を受ける可能性があります。また、周知をわざとしていなかった場合は、30万円以下の罰金(労基法120条)が科されます。

会社からのラブレターの読み方ガイド③ 就業規則って、そもそもだれでも読めるの?

就業規則はだれでも読めるのか?

はい、雇用されていれば、読めます。正社員だけではなく、パートやアルバイトであっても、同じように読めます。

というより、読んで、内容を知ってもらったほうがよいのです。

なぜなら、先ほどもお伝えしたとおり、会社には、つくった就業規則を労働者にお知らせする義務あるからです。

もし、あなたが知らなかったとしたら、ラブレターが放置されたのと同じ。

就業規則は、おかた~い文書ですが、そこには、会社から労働者に対する思いが詰まっています。

いわば、ラブレターなのです。

この会社に、縁あって入社してくれて、ありがとう。
これから、この会社で、多くの人と一緒に働いてもらうにあたって、まもってもらいたいことあるんだ。
そのかわり、あなたが、心や体をこわすことなく、力が発揮できるように、全力でサポートするよ!
人生は山あり谷ありだよね。
そんな中でも、長く働けるように、さまざまなサポート体制があるんだ。
・入社してからも学び続けないといけない。
・結婚するときは、役所が開いている時間にやらないといけないこともあるよね。
・出産や育児で働けない期間もあるかもしれない。
・子供のけがや病気で、急いで帰らないといけないときもあるだろう。
・教育資金や住宅購入資金のために、資産運用も必要だよね。
・なんぼ体を鍛えていても、加齢で、あちこちガタがくることもある。
・老後資金のことが気になることもあるだろう。
・ご両親の介護がはじまる可能性だってあるよね。
・退職後、再就職するか起業するかなんて、悩むこともあるかもしれない。
すべて完璧にサポートすることはできないけれど、入社してくれたあなたのために、できる限りの体制をととのえたから、ここに書いておくね。
ぜひ、この思いに応えてほしい。
これからも、末永く、よろしく頼むよ!

就業規則を、ただの権利義務のきまりがかかれた、血の通っていない文書ととらえるか、会社からのラブレターととらえるかはあなた次第です。

でも、これだけは言えます。

人生の大半をすごす職場組織。ルールを知らずして、会社でまともに生きていくことはできません。それは、あたかも、日本の法律や慣習を全く知らずに、日本で生活するようなものだからです。

あなたの職業人生を支える会社のルール。あなたは、ラブレターを放置しますか?

会社からのラブレターの読み方ガイド④ 就業規則って、どんなことが書いてあるの?

就業規則には、絶対的必要記載事項(絶対に書かないといけないこと)と、相対的必要記載事項(ルールがあるなら書かないといけないこと)を書くのが基本的なルール!

絶対的必要記載事項
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
② 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

相対的必要記載事項
① 退職手当に関する事項
② 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
③ 食費、作業用品などの負担に関する事項
④ 安全衛生に関する事項
⑤職業訓練に関する事項
⑥災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑦表彰及び制裁に関する事項     ⑧その他

労基法第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

引用元:e-Gov法令検索

こう見ると、味気ないラブレターですが、これは、あくまでテンプレート(最低限の内容)だから!

最近の就業規則は、社員とともにつくったり、漫画でつくられていたり、看取り休暇や孫休暇など必要に応じた特別休暇制度があったりと、会社ごとにオリジナリティあふれるものになっています。

働き方・休み方改善ポータルサイト
働き方・休み方改善ポータルサイトは、企業や労働者が指標を活用して「働き方」や「休み方」を自己診断することにより、自らの「働き方」や「休み方」を見える化し、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進を図ることを目的としたサイトです。

先ほどのラブレターに照らして、就業規則その他の規程をみてみると、チェック項目は以下のようになります。

◆これから、この会社で、多くの人と一緒に働いてもらうにあたって、まもってもらいたいことあるんだ。
☑服務規律や働く時間など、守らないといけないことをチェック!
◆入社してからも学び続けないといけない。
☑eラーニングや資格取得支援制度などをチェック!
◆結婚するときは、役所が開いている時間にやらないといけないこともあるよね。
☑結婚休暇など、結婚に関する支援制度がないかチェック!
◆出産や育児で働けない期間もあるかもしれない。
☑出産前後の休暇制度など、出産や育児に関する支援制度をチェック!
◆子供のけがや病気で、急いで帰らないといけないときもあるだろう。
☑看護休暇など、子供に関する支援制度をチェック!
◆教育資金や住宅購入資金のために、資産運用も必要だよね。
☑財形貯蓄など、資産運用に関する支援制度をチェック!
◆なんぼ体を鍛えていても、加齢で、あちこちガタがくることもある。
☑病気休暇や仕事と病気の両立支援など、心と体の健康に関する支援制度をチェック
◆老後資金のことが気になることもあるだろう。
☑企業型確定拠出年金など、老後資金の運用に関する支援制度をチェック!
◆ご両親の介護がはじまる可能性だってあるよね。
☑看護や介護に関する支援制度をチェック!
◆退職後、再就職するか起業するかなんて、悩むこともあるかもしれない。
☑再雇用や就職機会の確保に関する支援制度をチェック!

ただ、ここで気を付けないといけないのは、権利だけに目が行きがちになること。

就業規則は、労働時間など、守らないといけないこと(義務)と、休暇など、受けることができること(権利)について書かれています。

どんなに権利があるからといって、職場が混乱するほど、休暇を濫用したりする行為はゆるされません。

ラブレターをくれたからといって、会社に甘えすぎないように気を付けましょう!

ではここで、就業規則の読み方について、簡単に手順をお伝えします。

就業規則の読み方
①まず、ご自身の労働条件通知書や雇用契約書に「詳細は就業規則による」などと書かれている項目がないかチェックしてみましょう。
※労働条件通知書や雇用契約書が手もとにない場合は、会社の事務担当者に写しをもらいましょう。
厚労省の労働条件通知書(ひな形)では、休日や休暇、退職に関する事項について、就業規則で補足しています。
②あなたが正社員の場合は、正社員用の就業規則を開いて、①の項目を探し、内容を確認しましょう。その内容も含めて、あなたの労働条件(働くうえでのルール)になります。
③自分が必要と思われる項目を探して、調べてみましょう。
(例)
・年次有給休暇をとるのに、いつまでに届け出が必要か知りたい場合、「休暇」の項目を調べます。
・定年が何歳か知りたい場合、「定年」もしくは「退職」の項目をを調べます。
・昇給の条件を知りたい場合、「昇給」の項目を調べます。
会社によって、項目の名称は様々です。
また、就業規則以外の規程に書かれていることもありますので、就業規則に載っていない場合は、ほかの規程も確認してみましょう。
パートの方が、正社員を目指していて、正社員になった時の労働条件を知りたい場合は、正社員用の就業規則を確認してみましょう。
また、正社員の方が、管理職になって、さまざまな雇用形態(正社員・嘱託社員・契約社員・パート社員など)の就業規則を確認したい場合は、それぞれの雇用形態の就業規則を確認しましょう。

まとめ

就業規則は、雇用されていれば、誰もが読める会社からのラブレターです。

内容は、あなたのライフイベント(結婚・出産・育児・退職など)にかかわることも多く、働き方や生き方を考えるうえでも、重要な資料になります。

会社からのラブレターを読んで、素敵な職業ライフをすごしましょう!

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